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ゴルフをしていると得体の知れない虫との遭遇があります。とくに気をつけたいのが気温が高くなる夏のゴルフです。
ゴルフ中に虫にさされて集中できなかった、腫れてしまいゴルフをリタイアしたといった経験をした方もいるかと思います。
プロゴルファーの世界でも虫さされによる被害で試合を棄権したケースがありました。2021年9月に行われた「ゴルフ5レディス(ゴルフ5カントリー 四日市コース )」で稲見萌寧選手が虫刺されによる出血と腫れにより途中棄権しました。
虫刺されで楽しいゴルフの時間が台無しにならないためにも、今回はゴルフプレー中の刺す(噛む)虫への対策と刺されてしまった場合の対処方法をご紹介します。
ゴルフ場で注意すべき人に危害を加える虫の種類と特徴
人を噛んだり(刺す)、血を吸ったりする虫の活動期は春~秋です。この活動期の中でも気温の高くなる夏は、最も虫が活発に動きまわります。
そして夏は、半袖や短パンスタイルでゴルフをする人が増えるので、虫刺されの被害が多くなります。
虫に刺されたまま放置すると悪化したり、他の病気を併発したりします。虫の種類と特徴を知って嫌な虫刺されを予防しましょう。
蚊
家でもよく見かける蚊ですが、ゴルフ場では主に水辺で発生。池やクリークに蚊が生息している可能性が高いです。
また、昼過ぎから夕方まで活発になる特徴があり、蚊の行動範囲は地面から1メートルぐらいと言われていますので、昼すぎの足元は蚊に気をつけましょう。
アブ
体長1㎝ほどでハエに良く似ています。日光があまり得意ではないため明け方や夕方に活動します。アブは湿地帯で発生することが多いので、ため池やクリークに近寄る際には注意が必要です。
アブは皮膚を噛みきり人の血を吸血します。噛まれると血が滲み、かなりの痛みと腫れをともないます。ハッカが苦手なアブ対策としてハッカ油をキャディーバッグに入れておくことをお勧めします。
ブユ(ブヨ ブト)
2~5mmほどと小さいので油断しがちですが、集団で襲ってくるという狂暴な虫です。ブユも皮膚を噛みきり人の血を吸血します。
気づいたら足から血が流れていたという場合は、間違いなくブユです。噛まれる(刺される)と猛烈なかゆみや痛みが起き、真っ赤に腫れあがったりします。
ブユは流れのあるきれいな水辺で発生するので、ゴルフ場にある川やクリーク付近へ立ち入る場合にはブユへの注意が必要です。
ハッカが苦手なので、ブユ対策にハッカ油をつけてゴルフプレーをすることをお勧めします。
涼しい時間帯は行動が活発になるので、早朝プレーや薄暮プレーにはブヨ対策をお忘れなく。
マダニ
体長は3㎜~1㎝ほど。血を吸った後は1cm~3cmほどになります。地上1mくらいの植物に生息し25℃前後の気温で行動が活発になるという特徴があります。
マダニに噛まれたときは気づくことはほとんどありませんが、2~3日するとマダニが大きくなり痒みや痛みを感じることがあるそうです。
マダニで厄介なのはそれだけではありません。感染症を引き起こす可能性があるので、無理にを取ろうとしないで病院での処置をお勧めします。
深いラフやOBゾーンにボールを探しにいく際にはマダニに対して注意が必要です。
ゴルフをしていると顔回りをやたらと飛んでくる小さくて黒い虫に遭遇した経験はありませんか?
フェアウェイを歩いているときやグリーン上でつきまとわれて「うっとーしい!」とこの小さな虫にツッコんだ経験があるゴルファーも多いかと思います。
正体は「クロメマトイ(ヒゲブトコバエ)」ハエの仲間です。顔の回りに集中してまとわりついてくるクロメマトイは、名前にもあるように、目の涙にある塩分やたんぱく質を摂取しようとして顔回りに飛んでくるそうです。
クロメマイトはハッカ油が苦手なので、ハッカを胸元に付けておくのがおススメです。
ゴルフプレー中に虫に刺されないための有効な対策とアイテム
ゴルフ前やゴルフのラウンド中にできる簡単な虫刺され対策とアイテムをご紹介します。
虫除けスプレーを使用
ドラッグストアでも見かける虫除けスプレーや虫除けリングを使用しての虫刺され対策が、虫に刺されない噛まれないためのゴルフ中の予防として効果的です。
薬局で虫除けを購入される場合は、虫除け成分でもある「ディート」の濃さが重要です。市販の虫除けの中でディートの最高濃度は30%のものになります。虫に絶対刺されたくない方や長時間虫を遠ざけたい方にはディート濃度の高いものがお勧めです。
ただ、ディートには注意しないといけない点もあります。
- 顔に使用することができない
- アレルギーを起こす可能性がある
- 薬品のニオイが気になる
ディートは肌の弱い方やお子様に刺激が強い可能性があります。そういった方にはディートフリーの虫除けや、天然アロマを使った虫除けをお勧めします。
また、肌に直接虫除け成分をつけることに抵抗のある方は、虫除けリングを手に着けてみてはいかがでしょうか。
肌を露出しない
薄着になる季節に増える虫刺されですが、肌を露出しないことが一番の虫予防になります。
暑い中、長袖長ズボンというゴルフスタイルでプレーをするのは、熱中症など違う意味で危険が伴います。アームカバーや夏用の長袖ゴルフウェアを着用したり、ベンチレーションツ付きのパンツを活用してゴルフを行ってみてはいかがでしょう。
夏のゴルフではハーフパンツになることも多いですが、虫刺され対策の観点からはロングパンツに長めの靴下の着用がベストです。
虫が判別できない明るい色のゴルフウェアを着用する
虫は薄い色を判別できないと言われています。白などの明るい色は、多くの虫にとって「透明」に見えているようです。虫は暗い色を好むと言われていますので、明るい色のゴルフウエアを着用すると虫よけの効果が期待できます。
飲酒しない
蚊やアブ、ブユ(ブヨ・ブト)が人を「吸血できる生物」と認識する主な条件は以下の3つ。
- 体温
- 二酸化炭素
- 汗の臭い
お酒を飲むと体温が上がるので汗が出やすくなります。またお酒を飲みながらゴルフをすると当然ながら息も上がります。息が上がると人から出る二酸化炭素の量も増え、虫が吸血できる生物と認識しやすくなってしまいます。
アルコールを摂取すると虫に刺される確率があがってしまうので、ゴルフ中のビールやお酒は格段に美味しいですが虫刺され対策の観点からは、ラウンド中のお酒は控えた方が良さそうです。
どうしてもゴルフ中にビールが飲みたくなってしまったら、ノンアルコールビールをお勧めします。
汗をすぐに拭く
汗のニオイに虫が集まりやすい理由は、汗に含まれる乳酸や脂肪酸に虫が寄ってくるというメカニズムが関係しています。汗をかいたらこまめに拭くことが虫除けに効果的です。
ですが、拭いても拭いてもしたたり落ちてくる夏のゴルフでは、冷却スプレーや扇風機付きベストで体温を下げ、なるべく汗をかかないようにしてみてはいかがでしょうか。
香水や整髪料はつけない
香水をつけていると虫たちが花の香りと間違えて集まってきてしまいます。
香水や整髪料、日焼け止めやスキンケア用品も同様に引き付けてしまう可能性があるので、ゴルフに行く日の香水やスキンケアは柑橘系の物を選ぶと虫が寄りにくくなります。
ゴルフ中に虫に刺されてしまった時の対処方法
虫刺され対策をしっかりしていてもラウンド中、蚊、アブ、ブユ、マダニに刺されてしまうこともしばしばあります。
刺された虫の種類や毒の有無によって対処方法がかわるので、ゴルフ中にできる簡単な虫刺され対処法をご紹介します。
※応急処置になりますので、症状が改善しない場合は病院で診察されることをおすすめします
アブに噛まれた場合
- なるべく早く患部を手でつまみアブの成分をだす
- 水で洗い流す
- 保冷剤等で患部を冷やす
- 抗ヒスタミン薬を塗る
アブには毒がありません。アブが噛んだときに出す成分の影響で、痛み、腫れ、痒みが出ます。
放っておくと、体内のヒスタミンが過剰に働き、腫れがどんどん増して固くなり、痛みも酷くなっていきます。
ブユ(ブヨ・ブト)に噛まれた場合
- 強くつまみ液体が出なくなるまで毒素を出す
- 患部をお湯やおしぼりで温めブユの毒を中和させる
- ステロイド外用薬を塗る
ブユは唾液の中に毒があります。この毒が、痛み、かゆみ、腫れに関わってきますので、ブユに噛まれたら早急な処置が必要になります。
マダニに噛まれた場合
マダニに噛まれた場合の対処方法は、自分でマダニをとらないです。
マダニは病原体を持っている可能性があり「感染症」のリスクがあります。マダニを自分で取ろうとすると、マダニの体内にある病原体が逆流して人の体内に入ってしまいます。自分では絶対に取らずに皮膚科などの病院でマダニを取ってもらうことをお勧めします。
ゴルフ後はゴルフ場のお風呂に入って足や手に小さなホクロのようなものが増えていないか確認しマダニチェックをすることが被害を大きくしないポイントです。
いつどこで刺されるかわからない虫刺され。虫に刺された時に素早く対処するためにも「ポイズンリムーバー」をキャディバッグのポケットに入れておくと安心です。
ゴルフ中の虫刺されでやってはいけないNG行動
ゴルフ中に虫に刺されたり噛まれてしまったという苦い経験をした方も、まだ虫の被害に遭っていないという方も、刺されたり噛まれた場合にやってはいけないNGがあります。
掻く・かきむしる
虫に刺されたり噛まれた患部をかいたり、こすったりすると患部に傷がつき感染症や化膿してしまうなどのトラブルを引き起こします。また掻くと余計かゆくなるので、塗り薬で痒みを止める方法がベストです。
かゆいとスイングやパッティングに集中できないので、掻かずに虫刺され薬を塗りましょう。
あたためる
虫の種類にもよりますが、温めると毛細血管が広がり痒みが広がってしまうそうです。また、患部を叩いても毛細血管が広がり痒みを感じてしまいます。
虫に刺されるとつい叩いてしまう方もいると思いますが、早く痒みを抑えたい場合は、患部を冷やすのが◎
ゴルフ中に刺されてすぐに痒みを抑えたい場合は、氷嚢や飲み物を冷やす保冷剤を患部にあてると痒みが軽減されます。
ゴルフ中に顔のまわりを飛んだり、刺したり噛んだりする虫ですが、ゴルフは大自然の中で行うスポーツなので無視できない存在です。
ゴルフに集中し楽しむためにも、虫除け対策や虫刺され対策は必須。気温が高くなりだしたら虫よけ、虫刺され対策をしてゴルフにでかけましょう。